荒加工、仕上げ加工の設定が完了しました。
いざ切削!と行きたいところですが、一点忘れている加工があります。
輪郭の加工を設定していませんでした。
あえて、ですよあえて… 

輪郭加工は母材からパーツを切り離すために行います。
では、さっそく説明していきましょう。

輪郭加工編
ツールバー2D>2D輪郭を選択します。
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例によって表示されるウィンドウをまとめました。rin02
一気に説明していきます。

①工具
エンドミル編で作製したΦ4スクエアエンドミルを使用します。
切削送り速度は600mm/minとします。

②図形
加工したい輪郭を選択します。
選択した輪郭の高さまで加工するので、パーツの底の輪郭を選択します。
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また、ここでは「タブ」の設定ができます。
タブとはプラモデルのランナーみたいなもので、母材とパーツがくっついている部分の事です。
この部分を残すことで、切り取った際にパーツが外れて飛んでいくのを防げます。
タブを付ける場合は以下のように設定してください。
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上記の設定では自動的にタブの位置が設定されます。
自分でタブの位置を設定したい場合は以下のようにタブポジション>「点で」を選択して設定してください。rin06
③高さ
前回と同じように「移動高さ」と「退避高さ」、送り高さは「ストックトップ」を選択して「1mm」としました。
ここで、テクニックを紹介します。
この設定では素材の底面ピッタリ「0mm」まで加工します。
そうすると、薄いバリが残ってしまう事があります。
その対処法として、ボトム高さを「-0.2mm」削る事をします。
要は底面0mmより0.2mm余計に削る設定です。
もちろん素材の設置には捨て板を使用して、直接加工テーブルを傷めないようにする対策が必要です。
その設定を行うには以下の通りです。
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出力されたツールパスをみると、素材の底面より少し余計に削っているのが分かります。
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④パス
今回重要なパレメーターは
最大荒取り切り込みピッチ
です。
最大荒取り切り込みピッチは一回でZ軸方向に切り込む量を設定します。
今回は「1mm」に設定します。

⑤リンク
最短パスの設定がないのでここは変更しなくてOKです。
以前説明した「ランプ」の設定ができます。
ここでランプを設定した場合以下のようになります。
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出力されたツールパスです。
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輪郭を削りながらZ軸が切り込んでいくような動きに変化しました。
エンドミルの性質上、Z軸方向の力に弱いためエンドミルに負荷がかかりすぎてしまいます。
以前加工した際にはこんな感じでうまく加工できませんでした。rin012
なので「ランプ」は設定せずそのままでOKです。

以上の設定でOKを押すとツールパスが計算されて出力されます。
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よくみると、少し外側から切り込んでいることが分かります。
これなら側面が荒れたりせず頭の良いツールパスだと分かります。

まとめ
とりあえず以下のように入力すれば加工可能なパスが出力されます。
途中で説明した項目についてはそれぞれの加工環境に合わせて変更してください。
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おまけ
エンドミルの有効長さにもよりますが、輪郭加工の最後に少し内側を削って側面をキレイにする方法があります。
④パスの項目を以下のように変更すると、設定できます。
外周最終回のみ仕上げ1
外周最終回のみ仕上げ2
今回は内側に「0.1mm」削るように設定しています。
素材によって切削ピッチの値を変更してください。