いよいよ、3D切削加工でポケット除去の設定を行っていきます。

ポケット除去編
ツールバーの3D>ポケット除去を選択します。
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前回と同じように以下のウィンドウが表示されます。
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以下ウィンドウをまとめたものです。
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①使用工具関連
②工具経路、モデルの選択
③移動、退避高さ関連
④パスの詳細
⑤Z軸動作関連
となっています。
それでは詳しく説明していきましょう。
 
①工具
 使用する工具を選択します。
 エンドミル編で作成したΦ4のエンドミルを選択してください。
 設定した送り速度等もここに表示されます。

②図形
 図形の項目で「工具制限境界」では「工具中心境界」を選択してください。
 ~境界は以下を意味していると思います。
 工具内側境界:エンドミルがモデル外形より内側を加工
 工具中心境界:エンドミルがモデル外形の中心まで加工
 工具外側境界:エンドミルがモデル外形より外側を加工
 以下はそれぞれを選択した場合のツールパスの変化です。
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 モデルの項目では、「モデル面」>「↑無」となっているところをクリックすると選択できるようになります。
 モデル全体が選択できる部分をクリックするとモデル全体が青く表示されます。
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③高さ
 Z軸方向の高さ関連を設定します。
 移動高さ  :エンドミルが移動する高さ
 退避高さ  :エンドミルの退避高さ
 トップ高さ :加工し始める高さ
 ボトム高さ:加工する深さの設定
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 Z軸方向の切込み速度は100mm/minに対し、横送り速度が400mm/minです。
 そのためZ軸方向の切込み速度は横送り速度に対して4倍の時間がかかります。
 デフォルトだと、5mmや20mmとなっているので、いちいち退避高さから切り込んでいくと、切削に使用している時間より、Z軸方向に切り込むための空運転の時間が多くなってしまい、非常に効率が悪くなってしまいます。
 そのため、「移動高さ」と「退避高さ」は「ストックトップ」を選択して「1mm」としてください。
 ※⑤の設定で退避方法を効率の良いものにしますが、ここの設定は非常に大切なのでテクニックとして覚えてください。

④パス

 削っていくパスの詳細を設定していきます。
 必要な設定は以下の3つです。
 方向
  「ダウンカット」を選択します。
  ダウンカットは荒加工に最適な加工方向です。
  また、工具の寿命にもやさしいらしいです。体感ではわかりませんが…
  アップカットとダウンカットでは切削抵抗にかなりの差があります。
  詳しくはこちらのページをご参考ください。
 最大荒取り切込みピッチ
  Z軸方向に切り込む最大の深さを設定します。
  初心者でよくやってしまうのは「切込み量を多く設定しすぎてエンドミルを折ってしまう」事です。
  慣れるまでは控えめな切込み深さに設定しましょう。
  ここでは素材がケミカルウッドなので「1mm」と設定しておきます。
  素材がアルミA2017では「0.1mm」のように素材によって値を変更します。
 仕上げ代

  この動作では荒加工で、仕上げのための厚さを残しておきます。
  「0mm」に設定してしまうと、荒加工の段階で表面ピッタリまで削ってしまい、仕上げ加工をしても荒加工の跡が残ってしまう場合があります。
  ツルっとした表面にするには、仕上げ加工用に少し残しておくことが大切です。
  径方向の仕上げ代:横方向(X,Y)の仕上げ代
  軸方向の仕上げ代:微妙に分かりにくいですが、Z方向の仕上げ代
  どちらも「0.5mm」と設定します。

⑤リンク
 ここではZ軸の動作の細かい設定ができます。
 必要な設定は以下の2つです。
 退避方法
  Z軸の退避方法を選択します。
  「最短パス」を選択してください。
  退避後の移動が最短になるように計算されます。
  完全退避と最短退避の違いについてはよくわかりませんでした…
  一応シミュレーションで表示される加工時間を載せておきます。
  アレ…あんま変わってない…検証しておきます…
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 ランプタイプ
  Z軸方向に切り込む方法です。
  標準では「らせん」となっています。
  赤色でらせん状になっているのがこの動作です。
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  エンドミルは性質上、Z軸方向への切込みが苦手な刃物です。
  そのため、エンドミルの切込みやすい方法として「らせん」を使うとエンドミルの切込みやすい方法となります。
  ※ただしこの「らせん」動作は100mm/minでらせん状に切り込むので加工時間が延びます。

  加工時間をもっと短縮するには「切込み」を選択してください。
  切込みは垂直にエンドミルを切り込む方法になります。
  負荷が大きいので切り込んだ際にビビる音が大きくなるかと思います。
  また、負荷が大きいため微妙に切り込んだ部分が盛り上がっていることがあります。
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  加工時間も載せておきます。
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  「切込み」の方が格段に加工時間が短くなります。
  素材や加工法によって適切な方法を選択してください。

 ※触れていない項目があります。私自身動作を確認していない部分がありますのでご容赦ください。
 アドバイスをお待ちしておりますm(_ _)m

これでポケット除去の設定は完了です。
「OK」を押すとツールパスが計算され、左のツリーから作成した「ポケット」を選択すると、ツールパスが表示されます。
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ツールパスの動きはシミュレーションより確認できます。
次回はシミュレーションの使い方の紹介ができればと思います。

まとめ
どこを設定していいか困ったらとりあえず赤枠の部分だけ修正してください。
これで一応は加工可能なツールパスは出力できるはずです。
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長い説明を最後まで読んでいただきまして、お疲れさまでした。
基本的にはほかの加工の設定も同じ感じになると思います。

PS.
投稿が遅れてしまい申し訳ございませんでした。
楽しみにしている方々に本当にご迷惑おかけしました。
先日、イベントで「楽しみにしています」と声をかけていただき本当に励みになりました。
次回投稿も頑張って用意いたします!